トヨタ自動車の牙城が崩れる!? 変貌する自動車業界の現況


今、日本の製造業の2割を占める自動車業界が大きな変革を迫られている。

 

誰もが知っている自動車産業のピラミッド構造。

 

頂点にある自動車製造の下には、自動車部品、ガラス製品、電子デバイス、プラスチックと様々な裾野産業が広がっている。

 

だが昨今に於いては、自動運転車の進化や車を保有しないシェアリングの普及により

 

今まで安泰であった?自動車産業にも大きな逆風が吹き始めているようだ。

 

特に自動運転の分野においては、GAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)なども力を入れてきている。

 

 

かって20年程、自動車業界に籍を置いた身としては、いくら何でもあの「世界のトヨタ」の凋落など考えられない。

 

だが一昔前まで日本経済を牽引していた電機産業でも、海外メーカーとの熾烈な競争に敗れている。

 

 

今の時代、絶対はない。 しかし、このままタダ手をこまねいているTOYOTAではないはずだ。

 

記事を読み終わる頃には、自動車業界をとりまく現況がはっきりとみえているはずだ。

 

少し、見ていこう。

 

トヨタと国内メーカーに忍び寄る時代の変化

 

現在、世界の自動車産業はどこを見据えて動いているのか。

 

中国では政府の方針で電気自動車化に力を注いでいる。 もちろん自動運転も視野に入れている。

 

ただ日本に於いては、自動運転を取り込もうとした際に大きな障壁が待っている気がする。

 

何かと言えば、自動運転で絶対事故は起せないという風土体質である。

 

日本という国に於いては、全てが100% 安全と分かるまでは実用化などされないであろう。

 

しかし海外では、そうしたリスクも織り込みながら挑戦できる国もある。

 

 

良い意味での「石橋を叩いて渡る」国民気質が、ことスピード重視の開発戦争でブレーキとなるのである。

 

またシェアリング(一台の車を皆で使いまわす事)が他国に様に広がれば、大幅な販売台数の下落も見込まれる。

 

今のところ、トヨタは年間国内生産台数300万台を維持してはいるが、この先も安泰とはいかないであろう。

 

もちろん、それはトヨタに限った話ではない。 トップの失脚により大きな打撃を受けた日産。

 

2輪はともかくも4輪で大きな伸びが見いだせないホンダなどもご多分に洩れないはずだ。

 

 

更に頭の痛い事柄も出てきている。 そう、現地生産を求める圧力で輸出にも影響が出ているのである。

 

これは何も今に始まった事ではないのかもしれないが、海外のトップが頑なにそう言えば

 

もっと悪化の一路をたどる危険性も秘めた問題ではある。

 

 

ここに来てトヨタを含めた自動車業界は、大きな進路変更を迫られ始めたようである。

 

そして、まず最初に動いたのがトヨタだった。

 

 

社運をかけたトヨタの戦い方

 

もし日本の自動車産業が劣勢にさらされたら、それは日本の経済の屋台骨が崩れるという事だ。

 

そのことについて一番危機感を持っているのは他ならぬトヨタだった。

 

春闘のベースアップでさえも、トヨタを基準にして上がった、下がったと言っている有様である。

 

これからは依存心のある企業も人も、トヨタは背負う気持ちはないようだ。

 

 

まず先陣を切って行われたのが、業務執行を行う役員を55人から23人に激減させるという荒業。

 

これはこれまで以上のスピードで、即断、即決を行うための人事制度だ。

 

ここで一段ギアを上げなければ、新たな潮流に飲み込まれることを肌で感じたからだろう。

 

それに伴い、トヨタと深い関わりのあるデンソー、アイシン精機も役員数の削減に踏み切った。

 

 

更に驚くべきは、現在4チャンネルを抱える国内販売店での取り扱い車種の一本化だ。

 

これは何年か先になる見通しのようだが、例えば今まではカローラ店に於いては

 

アルファードは買えなかったが、これが実現されればどのチャンネル店に於いても購入できる訳である。

 

 

今までは、その地域の中に於いて程よく棲み分けが出来ているのがトヨタの強みでもあったはずだ。

 

これでは、某コンビニのドミナント商法並みに近隣店のつぶし合いにまで発展するだろう。

 

そこまでトヨタは本気になっている。 あえて販売店に危機感を持って欲しいという気持ちの表れだろう。

 

そして販売競争により淘汰されるのは、何もトヨタの販売店だけではないのかもしれない。

 

他メーカーまでも巻き込む、この施策。

 

 

ある役員は「グループだけではなく、日本の全メーカーを背負う位の気概を持っている」と言い切る。

 

これからは日本の自動車メーカーが大きな船団となり、舵を切っていく時代かも知れない。

 

日本経済の屋台骨を支えてきた「日本のものづくり」。 簡単には揺るぎはしないと信じたい。

 

 

まとめ

 

市場が縮まってゆく中、ただ指をくわえてそれを良しとはしないトヨタイズム

 

 

各都道府県に散らばる販売会社は、トヨタの場合その土地その土地の有力な地場資本が支えている。

 

そして何よりそれらの販売会社を大事にしてきたトヨタだが、今回の取り扱い車種の一本化は

 

その聖域にまで手を付けた形になるかもしれない大きな変革を意味する。

 

 

巨大な象が縦横無尽に立ち回れるフットワークを今、本気で手に入れようとしている。

 

次世代の自動車ビジネスの主導権争いが始まった。

 

 

 

 


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