今年もお正月の風物詩となる、箱根駅伝がスタート致しました。
今回の話題の中心は何と言っても、青山学院大学の5連覇を阻む大学が現れるのか!
という一点に尽きます。
原監督率いる、常勝軍団がこのまま破竹の勢いで突き進むのか、
それとも2年連続で往路優勝を狙う東洋大学が待ったをかけるのか、
他にもその牙城を崩そうと東海大学、駒澤大学など名だたる名門大学が
虎視眈々とチャンスをうかがっています。
もはや、お正月の風物詩などとのんきな事を言っているレベルでは無くなってきています。
そして、今回も花の2区で信じられないようなドラマが待っていました。
第95回 箱根駅伝、1区・2区のまとめ
前半戦で1区と2区を取り上げ、後半戦で3区・4区・5区を振り返ってみたいと思います。
大手町から2区の中継地点である鶴見中継所を目指し、主導権争いの火ぶたが切って落とされます。
大エースが控える2区にいかに早く、襷(たすき)を届けられるか、スパート合戦の開始です。
1区では、東洋大学の西山 和弥選手が見事区間賞をとる走りで一位フィニッシュ。
続いて中央大学、三位に青山学院大学となだれ込んでいきます。
この時点で一位の東洋大学と三位の青山学院の差は6秒。 まだまだ序盤の出来事でした。
続く2区、各チームのエースが顔をそろえる区間です。
東洋大学の山本 修二選手、中央大学の堀尾 謙介選手、そして青学の梶谷選手と華やかな顔が揃います。
しかし花の2区で忘れてはいけない存在があります。 そう、留学生ランナーです。
あまりのスピードに留学生ランナーの起用の是非を問うまでに至った、ジョセフ・オツオリ選手を
覚えているでしょうか? そして去年も東京マラソンを始め、
様々な大会で優勝をさらうケニア選手がここ花の2区にも揃っています。
日本大学の留学生ランナー、パトリック・M・ワンブィ選手がここ2区に於いて区間賞を取ります。
ケニア・エリート高校出身の選手です。 彼の走りだけを見ていると、まるで違う競技の様です。
名だたる日本人エースたちをゴボウ抜きにした後、最大の難所である権太坂手前では
脇腹を抑える場面もありましたが、結果4位でゴールしています。
日本人では、リオのオリンピアでもある順天堂大学の塩尻 和也選手の走りもさすがのものでした。
2区の難所、権太坂では見事4人抜きを見せてくれました。
その後、拓殖大学のデレセ選手も抜いて順位を9位にまであげています。
また、上位争いに於いては東洋大学の山本選手と中央大学の堀尾選手の激しいデッドヒートが繰り広げられました。
一時の強い中央大学が名門東洋と戸塚の壁で一騎打ちです。
そのままの順位で終わるかに見えたゴール付近で信じられない光景が飛び込んできました。
なんと先頭でゴールしてきたのは、国士館大学のライモイ・ヴィンセント選手でした。
こちらもケニア人ランナーの留学生です。
パトリック・M・ワンブィ選手にしろ、ライモイ・ヴィンセント選手にしろ、
それまでのレース展開を無視するような走りは、ただただ脅威でしかありません。
というわけで2区の結果は、1位が国士館大学、2位は最後に踏ん張った東洋大学、
そして3位に中央大学という順位に終わりました。
しかし、まだ1位と3位の差が5秒差ですので十分巻き返し可能なタイムです。
第95回 箱根駅伝、3区・4区・5区のまとめ
戸塚を経て3区の選手たちが飛び出していきます。
3区は海風と気温の変化が選手を襲う区間でもあります。
目まぐるしく変わる首位争い、ここでは東洋大学VS追い上げてきた青山学院の2強争いとなりました。
順調に飛ばす東洋大学を狙うのは、青山学院の森田 歩希選手です。
湘南の海岸線で王者の巻き返しが始まります。
青学のキャプテンでもある森田選手、なんと私の地元でもある茨城県の竜ケ崎一校出身だったのですね。
そして3区ではこの勢いのまま森田選手が、区間新記録をマークして1位でゴール。
2位は続く東洋大学、3位が駒澤大学となりました。
またこの区間で目立ったのが帝京大学1年生の遠藤大地選手。 一人で8人抜きの快挙です。
将来、長距離界を背負って立つ選手になるでしょう。
4区、平塚中継所をスタートして東海道の松並木を走ります。
大会前、青山学院の原監督は小田原を過ぎた時に2分以内の差であれば、何とかなると言っていました。
しかし相手は、来年は花の2区を任される予定の東洋大学の相沢 晃選手です。
実は今回の大会を大きく決定ずける戦略がここ4区には仕掛けられていました。
この相沢選手、当初は補欠枠でのスタンバイでした。
東洋の酒井監督は4区は薄いとみるや、ここにスピードあふれる相沢 晃選手をねじ込んできました。
そして見事に、有力選手を補欠枠に入れておくという作戦が功を奏した訳です。
先行する青学にじりじりと東洋がにじり寄ってきます。 3位争いも熾烈を極めています。
結果、1位は東洋大学の相沢 晃選手で区間新記録で走り抜けました。
2位はタレント軍団の東海大学、そして3位に青山学院の岩見選手がゴールとなりました。
そして、いよいよレースの終盤5区が始まります。
山の神候補が集結するこの区間が往路のもうひとつの見どころです。
山ではどんな事が起きるか誰にも分からないといわれる程、ここ5区は毎年様々なドラマを生み出します。
小田原中継所で1位の東洋大学と3位の青山学院の差は3分30秒。
2分以内であれば巻き返す自信のある青山学院にとって、このタイム差がどう影響するのか。
東洋大学は去年もここ5区で優勝した、田中 龍誠選手を起用。
対する青山学院は新たな山の神といわれる竹石 尚人選手を投入してきました。
そして2位争いを演じている東海大学は西田 壮志選手で勝負です。
第51回大会以来となる小雪のちらつく、ここ箱根路。レースは淡々とそして熱く進んでいきます。
結果、4区から受け継いだ順位を手堅く守った東洋大学と東海大学がそのままゴール。
3位には、箱根登山鉄道の異名を持つ、國學院大學の浦野 雄平選手が追い上げを見せました。
また往路で5位入賞した法政大学の青木 涼真選手は山で7人抜きを披露。 順位を押し上げました。
新たな山の神候補となるべき選手です。 青山学院の竹石 尚人選手は6位でゴールとなりました。
シード権のかかる10位内までの成績はご覧の通りです。
- 東洋大学
- 東海大学
- 國學院大學
- 駒澤大学
- 法政大学
- 6位 青山学院大学
- 7位 順天堂大学
- 8位 拓殖大学
- 9位 帝京大学
- 10位 中央大学
まとめ
比較的、コンディションのよかった第95回大会は往路優勝した東洋大学のタイムにも現れています。
往路新記録の5時間26分31秒というタイムでした。
明日の復路では巻き返しを狙う青山学院大学。 早くも6区、7区で詰めていくと息巻いています。
王者のプライドにかけて面白いレースを見せてくれるでしょう。
そして去年の雪辱を晴らすべく東洋大学も6区山下りには自信のある選手を温存しています。
2年連続、往路優勝は東洋大学の想定内だったのかも知れません。
邪推ですが、青学にとっても往路優勝できなかった事は想定内だとしたら、
明日は大波乱のレースが待っているかも知れません。
そして当然この2校以外にも、牙を研いでいる大学が沢山あります。
小雪の舞う箱根で熱い戦いを期待して今夜は終わりたいと思います。
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