カウンター式フォークリフトとリーチ式フォークリフト。
同じフォークリフトでありながらも、その操作性には多くの違いがあります。
求人情報などでも募集の多さや高収入により、フォークリフトオペレーターは今なお人気の職種。
でも免許を取得する際に使用する機種は、大体がカウンター式フォークリフトです。
新たな職場でカウンターリフトは乗った事があるけど、リーチリフトは初めてで不安という方に
私自身が実際にリーチ式フォークリフトを初めて運転し、戸惑った 部分を取り上げてみたいと思います。
不安を抱えて運転に望むより、ある程度の知識をもって運転することをおすすめ致します。
カウンターリフトとリーチリフトの操作性の違いは?
では早速、カウンターリフトとリーチリフトの操作性の違いを見ていきましょう。
外見上では、立って運転するのと座って運転するくらいの違いしか見受けられませんが
その運転操作には大きな違いがあります。
カウンターリフトは屋内にとどまらず屋外でも使用する為に、バッテリーだけではなく
エンジンを搭載したものもあります。
その操作性はどちらかと言うと、乗用車の運転に近いものがあります。
★座って運転する
★アクセル、ブレーキは足のペダルで操作する
★ハンドルも乗用車に近い感覚で操作できる
もちろん乗用車よりも小回りが利くため、乗用車と全く同じという訳にはいきませんが
普段、車の運転をしている方であれば割と違和感なく運転できるはずです。
ではリーチリフトはと言うと、倉庫などの屋内で使用するのが一般的です。
その為、空気を汚さないバッテリー方式になっています。
リーチリフトの操作の特性としては
★立って操作する
★カウンターリフトよりも更に小回りが利く
★アクセルは手で操作
★ブレーキペダルは足で踏む事によってブレーキが解除される特殊なもの
★レバーで爪を上下だけではなく、前後に動かす事も出来る
文章でみると何やらむつかしく感じるかも知れませんが、慣れてくれば直感的な操作が出来ます。
写真の一番右側のレバーがアクセルになります。前に倒せば前進、手前に倒せば後進です。
そしてリーチリフトは何も操作していない状態では、ブレーキがかかったままです。
いくらアクセルを動かしても、前後に動くことはありません。
その為に、ブレーキを解除してやる必要が出てきます。
そのブレーキ解除ペダルがこちらです。
このペダルを踏むことにより、ブレーキが解除されます。
そうすることで初めてアクセルで進む事が出来るわけですね。
ではカウンターリフトのつもりで乗り込み、私自身が戸惑った点をいくつか挙げてみたいと思います。
是非、あなた自身と置き換えて参考にしてみて下さい。
カウンターリフトのつもりで乗り込み戸惑った点
管理人もカウンター式フォークリフトに長年乗っていたために
種類は違えど同じフォークリフトなのだから、そう苦労する事はないでしょと舐めていました。
まず最初に戸惑ったのが、まっすぐに走るという事です(笑)
この何でもない運転操作でさえも違いはありました。
リーチリフトの外見からも分かるように、リーチリフトはカウンターリフトよりも
前輪と後輪の距離、いわゆるホイールベースが極端に短いのです。
なので少しのハンドル操作で簡単に曲がってしまうため、まっすぐに走るのも最初は難しいのです。
また調子に乗ってスピードを上げて曲がろうとすると、急な旋回に大きく戸惑います。
これは慣れるまでは、決してスピードを出してはいけないという事です。
早く作業しなければ、慣れている所を見せてやろう等の考えで操作するととんでもない事になります。
カウンター式フォークリフトとは、全く別物の乗り物だと思って操作することが大事です。
次に気を付けなければいけない点として、重い荷物を積んだ時の安定性です。
カウンター式フォークリフトはその名が示す通り、後方に重いオモリを積んでいます。
それにより多大な安定性をもたらしてくれますが、リーチリフトはカウンターリフトに比べて
それ程の安定性は望めません。
スピードの出しすぎ、不安定な荷物の積み方、坂道などの不安定な場所での操作は
カウンターリフトの倍の注意を払っても、決して大げさではありません。
私も実際に荷物を積んだ坂道の作業で、リーチリフトが大きく傾くという冷や汗ものの経験を
何度か体験しています。 つまりカウンターリフト程の安定性はリーチにはないという事です。
最初は慎重すぎる位の気持ちで望んでください。
最後に慣れるまでに最も時間のかかるブレーキの取り扱いについてです。
このブレーキシステムは「デッドマンブレーキ」と呼ばれており
サイドブレーキとフットブレーキを兼ねています。
人がフォークリフトから離れると、サイドブレーキがかかる仕組みになっている訳ですね。
このリーチリフトで速度を落とす時は
アクセルレバーを戻してブレーキ解除ペダルから足を離すと職場では教わりましたが
私は慣れるに従って、前進のレバーを逆に入れブレーキをかけるようになりました。
ある時、メーカーの方が来ていたのでブレーキのかけ方を聞いてみたところ
「進んでいる方向とは逆にレバーを入れるのが正しいやり方です」との事。
「皆さん、足のペダルを離してブレーキをかける方が多いのですが
このペダルはあくまでも、サイドブレーキを解除するといったものです」
明確な答えを頂き、長年のモヤモヤが吹き飛びました。
いずれにせよ、とっさの時に足でブレーキを踏み込むといった停止方法では無いので
原則、急ブレーキをかけなければいけないようなスピードで運転しないといった事が最も大事です。
以上が私がカウンターリフトからリーチリフトに乗り込んだ際に感じた注意すべき点です。
まとめ
リーチリフトは慣れてくると、直感的な操作でリニアな動きができる優れた乗り物です。
ですが、それが逆に使い方を誤ると予期せぬ事故につながる可能性がある道具です。
カウンター式フォークリフトでも同様ですが、このフォークリフトの衝突エネルギーは
想像以上の危険性を秘めています。
以前会社のフォークリフト研修で、メーカーから来た方が行った実験では
ペットボトルを入れた安全靴をもしフォークリフトが踏んだ場合、どうなるか?
結果は安全靴は変形しませんでしたが、中身のペットボトルは潰れてジュースが四方に飛び散りました。
車と同じく時には凶器にもなりえる、このフォークリフト。
注意の上にも注意をするといった心構えで、運転していきたいものです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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