2018年、巨大市場の新旧交代が行われました。
永く都民の台所として親しまれた築地市場が80余年の歴史に幕を閉じたのです。
ですが、築地の「場内」が移転しても「場外」は移転しません。
今日も内外からの観光客が押し寄せてきています。
新しい豊洲新市場においては、土壌汚染の問題で一時は白紙撤回にまでなる騒ぎでしたが
やっとここに来て、落ち着きを見せ始めています。
今回は、築地の歴史を振り返りつつ、現代の築地も見ていきたいと思います。
2023年には豊洲新市場においても観光拠点である「千客万来」と呼ばれる施設が開業します。
そうなった時に、築地場外はどうなるのか? いささか心配ですが、
築地を守り続ける人達がいる限り築地の歴史が簡単に幕を閉じる事はないはずです。
築地の歴史を読み解く
築地の歴史は古く、1935年にまだ東京都ではなく東京市だった時代に建てられています。
未曽有の大災害であった「関東大震災」で多くの魚河岸や市場が消失したために、
臨時で開かれたのが築地市場でした。
最近では外国人観光客にも絶大な人気のあったマグロのせりなどが見学出来ましたが、
以前は一般客が立ち入る事のできない、威勢のいい男たちだけの世界がありました。
ターレと呼ばれる運搬車がひっきりなしに行きかう場所を、素人にうろうろされたら
商売にならなかったはずです。 今はすっかり様変わりしていますが・・・。
私も以前にアルバイトでこのターレに乗ったことがあるのですが、
スピードを出して曲がろうとした際に下にバナナの皮が落ちていたのです。
漫画の様ですが、そのまま前輪がバナナの皮に乗り、あわや転倒!
となりかけたのですが何とか地面を蹴って持ち直しました(笑)。
周りから拍手喝采を浴びましたが、3輪の為思いのほか安定性はありません。
死ぬかと思いました。話が逸れましたが、昔は少し怖いイメージもあった築地市場ですが、
幕を閉じる前の数年は何ともフレンドリーなものに様変わりしたようです。
今回の移転に伴い、以前から取りざたされていた施設の老朽化が話題になりましたが、
実は移転には築地を象徴する扇形の建屋が大きく関係していました。
昔は江戸前の海産物を船で運んだり、鉄道で品物を運んだりと、この扇形の建物が効率よく
機能していた訳なのですが、鉄道が廃止されトラックが物流の主なものに変わると一転
この構造が非効率なものへと変化したのです。
もともとはトラックが縦横無尽に行きかうようには作られていない、この市場。
そのような構造により様々な障害が生まれます。
無秩序に行きかうトラックをより快適に通過さすために築地は豊洲へと
移転せざるを得なくなったという事です。
海産物取り扱い量、日本一であり、また全国の建値市場となる築地。
更には「今朝、築地で仕入れた」というだけで一目置かれるブランド力は
他の追随を寄せ付けないものでした。
これは長年にかけて積み上げられた「目利き」と呼ばれる技の賜物でしょう。
今後、この技と伝統が豊洲新市場へと受け継がれていきます。
そして今なお多くの人で賑わう「築地場外」の今を見ていきしょう。
築地場外の今
始めて「築地場外」に足を踏み入れた方は、その観光客の多さとごちゃごちゃと入り組んだ
場所に疲れてしまうといった事もあるようです。 しかし、その独特の雰囲気が築地場外の魅力。
ただ築地「場内」が移転したことの影響もあり、2018-2019年にかけての場外は
例年に比べ、お客さんの入りが少しだけ少なくなっているようです。
なんとか生き残りをかけて、続いていって欲しいものです。
また、築地場外の中には「築地魚河岸」というグルメビルがあります。
場内のそぞろ歩きに疲れた人が立ち寄るにもいい場所です。
もちろん以前の築地場内ではありませんが、築地の活気と賑わいが今なお残る生鮮市場です。
私の知り合いがここに立ち寄り、お土産を買ってきてくれました。
築地と言うと海鮮ものだけがクローズアップされてしまいますが、
テリー伊藤さんの実家としても有名な「卵焼き専門店」のお店も数多くあります。
この様な箱に入っていると普通の卵焼きではないように思ってしまいます。
これはテリー伊藤さんの実家の「つきじ 丸武」の卵焼きです。
いただいてみると、ほんのり甘く上品な味わい。 ぱくぱくいけます。
さすがですね、この他にもいろいろ変わった品物も頂きました。
皆さんも人でごったかえす、このエネルギーに満ちた市場を自分の足で歩いてみませんか。
お店が多すぎてどこに行けばいいのか分からないという人には総合案内所である
「情報市場ぷらっと築地」もありますのでそちらをお勧め致します。
営業時間は8:00から14:00までで、日曜、祝日はやってません。
また年末年始もお休みです。
住所は中央区築地4-16-2千社額棟1Fとなっております。
観光案内だけではなく、オリジナルグッズもあるそうですので覗いてみて下さい。
まとめ
(築地場外でもつ煮が食べたい・・・)
多くの築地関係者たちが築地の灯を消すまいと、今現在も頑張っておられます。
海外の観光BOOKにも大きく名を連ねる、築地の2文字。
豊洲と築地、この両輪がいつまでも続いていく事を強く願うばかりです。
2018-2019年に於いては、まだ海産物のお買い物は豊洲では厳しいみたいです。
私も機会を設けて、また築地場外散歩へと向かってみたいと思いますので、
お会いしたその時はよろしくお願いいたします。 では、また・・・。
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